「ジーパンは洗っちゃダメ!」ってことはないよ…という話。



若者の〇〇離れの中に「ジーンズ離れ」もあるそうで、今や若い子はジーパンをあまり履かなくなったとのこと。


ヴィンテージジーンズが流行っていた頃に青春時代を過ごした僕としては、ちょっと寂しい気もしますけど、まぁしょうがないかなとも思います。


ヴィンテージジーンズって見る人が見れば大戦モデルだの赤耳だの縦落ちだのXX(ダブルエックス)だの、そういう付加価値がありますが、知らない人からすれば中古の汚いジーパンですからね…。


そんな時流は気にしない性分なので、僕は今でもジーパンを履いています。


新品の「真っ紺」状態から時間をかけて自分の足にピッタリくる自分のジーパンになっていくのはホントに良いですね。衣類の中でも相棒感が強いのはジーンズの特徴ではないでしょうか。


さて、そんなジーパンにまつわる都市伝説的な情報があるんです。


「ジーパンは洗うと価値が下がるので洗わない」というヤツです。


聞いたことがあるという方も多いのではないでしょうか?


コレ、実際のところは「半分正解で半分間違い」という感じだと僕は思います。


単に「ジーパンは洗っちゃダメ!」のではなく、


(ヴィンテージの)ジーパンは(洗うと破れたりすることがあるので、やたらめったとは)洗っちゃダメ!」


というのが、より正確かというところです。


「ジーパンは洗っちゃダメ!」というだけでは、ちょっと省略しすぎという感じですね。


ヴィンテージのモノだと作られてから50年ぐらい経っていることも珍しくないので、どんなに丁寧に扱ったとしても全体的な生地の強度は低下しています。


そういうジーパンを考えなしに洗濯機に入れてガンガン洗ってしまうと、一気にダメージが進行してしまうことがあります。


ですから、洗う頻度を極力おさえて、洗うのであれば丁寧に手洗いする…というのが「ジーパンは洗わない」という風に誤訳されたのかなと思います。


ちなみにヴィンテージではない現行モノのジーンズやデニムアイテムは遠慮なく洗濯機で洗って大丈夫ですし、そのほうが長持ちすると思いますよ。


長く洗わずにいると糸と糸の間にホコリや汗が入り込み、さらに同一箇所(例えばヒザ部分)だけが伸ばされてダメージが蓄積されてしまいます。


適度に洗って、水を通してやったほうが生地がリフレッシュされていいですよ。


それ以上に、長期間ずっと洗濯しないというのは汚い感じがしますしね。


洗濯機で洗うのであれば、必ず裏返しにして、ボタン類は全て閉めた状態で洗いましょう。


ジーンズ・デニム用の洗剤があればそれを使い、なければ少量の洗剤だけで洗ってもオッケーです。


手洗いでも同じですね。


裏返して優しく汚れを落としてあげます。


洗濯後は裏返しのまま逆さに吊るして陰干しにすれば型崩れも色落ちも最小限に抑えられますよ。


夏場など収納しておく場合でも裏返しにしておいたほうが日焼け防止になります。


こんな感じで逆さに陰干しします。


まあ、今でこそ日常に溶け込んだジーンズですが、もともとは頑丈な労働着です。


大切にするのはいいとしても、丁重に扱い過ぎるというのも滑稽なので、しっかり使ってやるのがモノとしての本分なのかなぁと僕は思います。


◆◆◆


近年では高価格帯の国内ジーンズが注目され、新しいジーンズを買われる方も増えていると思います。


お気に入りのジーパンをガンガン履いて、適度に洗って、また履いて、また洗って、そうこうしているうちに愛着ある1本に経年変化していきますよ。


これこそジーンズの醍醐味ですよね。


股・ひざ・裾など摩擦が多い部分はどうしても穴が開いたり生地が薄くなったりしやすいものです。


そういうときはリペア(修理)に出すといいですよ。


どの街には1軒はある修理屋さんに出すのもいいですし、専門的なリペア屋さんに出すのもいいと思います。


送って、直して、送り返してもらえるところも結構ありますよ。


ジーンズの登場機会が減る夏場のうちにリペアに出すのがオススメです。


というわけで、「ジーンズは洗っちゃダメ!」と固執するのではなく適度に洗って清潔でフレッシュなジーンズライフをお過ごしくださいね、という話でした。