※写真の男性はあくまでもイメージです |
ある日、職場(治療院)に中年の外国人男性がやってきたんですよ。
おそらく40~50代、手入れされたヒゲ、身長175センチ前後、革ジャン、ジーンズ、紙袋という感じ。
来客の予定もなく急に現れたので少し驚いていると、彼はこう言いました。
「私はインドから来ました。コレ読んでください。」
割と流暢な日本語です。
名刺サイズの紙を渡され、そこに書かれている文字を読んでみますと、
「私は日本の学校で勉強しています。アルミ細工で絵を作ったので、よかったら買ってください。」
みたいな感じだったと思います。
読み終えるや否や、そのインド人おじさんは紙袋から20枚以上の絵を取り出し、どれを買うのかと営業が始まりました。
ハワイで軽い詐欺に合ったこともあり「こ、これは…!またもや詐欺なのか!!」と戦慄して数秒フリーズしてしまいました。
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インド人おじさんの営業は続きます。
「1枚4000円、あなたにはコレが似合う、これも一緒にどう?」
…グイグイ系の営業です。
どうやって断ろうかと考えていると、急に「手相、見てあげます!」と僕の手を取って見始めます。
「健康、問題ない。あなた長生きする。お金、出ていくお金いっぱい、気を付けて。金運が上がる絵はコレ!」
手相占いの真偽はともかくとして、とにかくアルミ細工の絵を買ってもらいたい様子のインド人おじさん。
もうズバッと断ろうと『ノーサンキュー!いらない』と告げると、インド人おじさん、諦めずに粘ります。
「1枚4000円、高い?じゃあ3000円?金運アップするよ!」
とグイグイ姿勢を緩めず、売る気MAXのまま。
もう途中から面白くなってきて、笑い話のネタにでもなればと思い、ちょっと買ってみようかなという気になってきました。
『…ほんじゃ、それ1枚ください。3000円?』と聞くとインド人おじさん、一気に笑顔になります。
「オー!1枚3000円。でも今だけ2枚で5000円。スペシャルプライス!あなたにコレとコレ、ピッタリ!」
買ってくれると分かったら更にグイグイきます。
最初は1枚4000円だったのに、今は2枚で5000円です。
「コレとコレ、金運あがるよ!2枚5000円ね。オッケー、あなたラッキー。私も嬉しい。はい、どうもありがとう!」
と2枚買うとは一言もいってないのに商談が成立した感をアピールしてきます。
サッサと片付けを始めて「もうアナタから代金をもらうだけですよ」的な空気です。
僕も『もう今さら買わないというのも気の毒…』と思い始めてしまって、まんまと乗せられてしまっていました。
結局『うーん、じゃあ、その2枚、5000円ね』と、買ってしまいましたよ!
お金を受け取ったインド人おじさんはさっさと帰ってしまい、残ったのはアルミ箔で作られたという絵、2枚だけです。
写真が実際のアルミ絵です。
実りが多く、お金も増えるという意味があるそう。 |
こっちは商売繁盛に効く(?)絵とのこと。 |
アルミ部分に光が反射してキラキラに見えます。
すぐさまネットで「外国人 アルミ 絵 詐欺」で検索してみると…出るわ出るわ、同様の手口で絵を買わされた人が何人もいました。
結構、定番な手法なのかも知れませんね。
当然、絵1枚に数千円の価値はなく、安く買ったものを高く売っている…みたいです。
途中で「詐欺的なモンだろうな」とは思っていたのですが、買ってしまった今となってはどうすることもできません。
返品もクーリングオフも、インド人おじさんの連絡先が分からないんでやりようがありませんから。
買って、調べて、思ったことは3つあります。
順番に書くと、
1:あちゃ~、騙されたわ!
2:話のネタができたわ!
3:今以上に稼いで、コレを本当の「金運が上がる絵」にしてやるわ!
これです。特に3ですよ。
大量生産された何の変哲もない絵を、僕が今よりもっと稼いで「本当に金運アップ効果があった!」ということにしたいですね。
同じ事実であっても「インド人の詐欺師に騙された―!」と思うより、
『インド人に姿を変えた金運の神様がラッキーアイテムを届けにきてくれたー!』と思うほうが健康的かなと。
コップに水が「半分しか入っていない」と思うのか「半分もはいっている」と思うのかで心持が全然かわってくる…ってヤツですよね。
インド人おじさんの姿を借りた金運の神様のおかげで、モチベーション上がったような気がします。これからも頑張って働くぞ!
帰宅して妻に経緯を話すと「えー!それ完全に騙されてるやん」というリアクションでしたとさ。
騙されたとしても、これでいいのだ。