妻が妊娠しました!
そのまま自然に新しい命が生まれる…かと思いきや、実に様々な思いもよらないアクシデントがあるものですね。
「切迫早産」(せっぱくそうざん) もそのひとつではないでしょうか?
私の妻も切迫早産と診断され、2ヵ月ほど入院していました。
そのときのことを振り返りながら、実際にやったこと・役に立ったものなどを紹介していこうと思います。
誰かの参考になれば幸いです。
◆そもそも「切迫早産」って何?
なんとなく聞いたことはあっても実際にはよく知らない・分からないことって結構ありますよね。
病気や病名でよくある話です。
「切迫早産」(せっぱくそうざん)もまさにそれで、実際に妻が入院するまでよく知りませんでした。
この機会に調べてみますと切迫早産とは「早産が切迫している状態」とのこと。
そのまま日常生活を送ると胎児が母胎で育ちきる前に生まれてしまうリスクが高いんだそうです。
赤ちゃんが生まれるには早すぎるので、もう少し母胎に長く居てもらうための処置がされます。
◆切迫早産での入院中の処置
やることは基本的に2つ。 「安静」と「張り止め」です。
とにかく安静を徹底され、トイレ以外には立ち上がらないように指示されます。
産科の先生のところへ行くにも車イスに乗せられますし、許可が出るまで風呂もシャワーも禁止です(体は拭いてくれたり、髪も洗ってもらえます)。
さらに「張り止め」のお薬を24時間点滴で入れ続けます。
おなかが張って早産にならないようにするためです。
入院となれば、たいていは点滴になるみたいですね。
24時間点滴なので腕の血管がボロボロになり、何ヵ所も内出血になってホントにかわいそうになりますよ。
点滴可能な血管を探すのも大変になってくるみたいですし、さらに点滴を入れてくれる看護師さんのスキルにバラつきが…。
上手い看護師さんが来てくれることを祈ってたそうです。
この張り止めの薬(ウテメリン)を使うと心拍数が上がって心臓がドキドキしたり、人によっては手足や顔面が熱く感じたり、やたら汗をかいたりすることもあるとのことです。
僕の知り合いの女性も、全身(特に手足)が熱くなって氷水で冷やしたことがあるそう。
人それぞれですね。
安静にして張り止めの薬を投与することで、早産にならないようにするのが入院中の基本的な処置です。
◆入院は突然、強制的に。
「早産になるかも知れない状態」ですから、早産を回避するために、すぐさま強制入院になります。
「入院の準備をするので一旦帰宅してもいいですか?」と聞いても当然ダメです。
ウチの妻も定期検診時に切迫早産と判断され、そのまま入院となりました。
午後からは普通に出勤して仕事する予定でしたが、産科医にそんなのは関係ありません。
入院の準備ができてなくとも強制的にすぐさま入院です。
下手に帰宅させて早産になってしまっては目も当てられません。
身の回りのことは後回しにどうにかしてもらって、何はなくとも「着の身着のまま」で安静を命じられます。
◆「切迫早産で入院」と聞いて夫がやるべき行動。
・モノ関連
とにかく急な展開で驚かれるかと思いますが、まずは落ち着いて入院生活に必要なアイテムを運びましょう。
コツは「何が必要か」いちいち聞くよりも、「必要そうなモノ全て」を病院に持っていくことです。
奥さんが使っていた日用品を思い出しつつ、その全てをガバッと持ち出します。
パジャマ(ジャージ)・下着・靴下・コンタクト保存液・メガネ・化粧品・リップクリーム・保湿クリーム・歯ブラシ・歯磨き粉・コップ・はし・充電器・お茶・枕・タオル・爪切り・綿棒・箱ティッシュ・うちわ(小型扇風機)・サプリメント・ナプキン(おりものシート)…などです。
要るか要らないか分からないのであれば、とりあえず病院に持っていきましょう。
必要ないなら持って帰ればいいだけですからね。
必要なのに持ってきてないというのが一番ダメなヤツです。
荷物を持ち込む際は大荷物でバタバタするかも知れませんが、最初の1回か2回だけです。
大きいバックなりスーツケースなりに入れて病室に向かいましょう。
・メンタル関連
とにかく急なことなので関係者が必要以上に動揺してしまいがちです。
意識的に「落ち着いて」行動するのが良いと思います。
とにかく、まずは、妻も夫も親も、落ち着いてください!
特に初産の奥さんは気持ちが焦ったり、アレが悪かったのかコレが悪かったのかと責めたり、急展開に普段以上のストレスを感じるのは間違いありません。
もしかすると感情的になったり、攻撃的になったり、冷静でいられない時間があるかも知れません。
こういうときに「売り文句に買い文句」で口論になってしまっても誰も得する人なんていませんから、慌ただしいなかであっても意識的に冷静さを保って、やるべきことをやりましょう。
妊婦さんのやるべきことは安静の入院生活。
夫のやるべきことは妻の入院生活が少しでも快適になるようにすることです。
ケンカはNGですよ~。
・書類(保険)関連
高額医療費の申請や、保険会社への連絡、各種の書類作成などは落ち着いてからでも全然オッケーです。
病院(看護師さん)から作成依頼があることもありますし、自分で書類を取り寄せて記入して送り返すこともあります。
この辺は夫婦のどちらがやっても間違いさえなければ問題ないので上手に分担してサッサっと仕上げてしまいましょう。
安静入院のヒマに耐えかねている奥さんが時間潰しに率先してやる場合もあるかと思います(ウチの妻はコレでした)。
◆入院時に役立ったモノあれこれ
入院時の必需品ではありませんが、「あったら便利」だったアイテムを紹介します。
もしよかったら参考にしてみてくださいね。
・洗濯バサミ
充電器のコードを留めたり、ハンドタオルを留めたりするのに使いました。
コードやタオルを床に落としてしまうと面倒ですし、お腹が張ってしまうかも知れませんからね。
S字フックは引っかけるところが必要ですが、大きめの洗濯バサミだと挟んで固定できるので便利でした。
・日除け(アルミシート)
入院する部屋によっては朝日や夕日が降り注いで暑くなったり、日焼けが気になったりすることもあり得ます。
妻が入院した部屋も朝日がかなり差して暑くなったり、妻が紫外線を気にするのもあって、とりあえず車の日除けシート(アルミのヤツ)を持ってきて使ってました。
朝日で急激に室温が上がるのを抑えられ、まぶしさも軽減できて非常に重宝しました。
100均でもアルミシート売ってると思いますよ。
・ノートパソコン(DVD視聴用)
切迫早産で入院する妊婦さんは「とにかくヒマ」です。
安静を命じられるとはいえ、母胎そのものは病気ではなく、元気ですからね。
急にヒマになって時間を持て余してしまうこともあります。
自宅にあった古いノートパソコンでDVDを見ることができたので持ち込み、レンタルショップでDVDを借りて差し入れました。
ウチの妻は2ヵ月ほど入院したのですが、その間に30本ほどのDVDを見ましたよ。
私のセンスで選んだ作品も見てましたが、新しい発見もあって良い気分転換になったみたいです。
・レンタルWi-Fi
これも「ヒマ対策」なのですが、ポケットWi-Fiをレンタルしました。
ヒマなのでスマホの契約ギガ数上限にすぐ達してしまい月に2回も3回も追加料金を払いそうな勢いだったので、それならばとレンタルした感じです。
1日単位で借りられますし、料金も1日200円ぐらいだったと思います。
今、調べてみると病室まで配送してくれるみたいですね。
スマホやタブレットをガンガン使いたい妊婦さんにはオススメです。
私はココの会社からレンタルしました。
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・お茶
水分補給のために「お茶」を持ち込んだのですが、ペットボトルでノンカフェインのものにしました。
冷蔵庫にも入って、重たくない、という理由から500mlサイズにしました。
大きいサイズのほうが安いのですが、お腹が張るといけませんからね。
コンビニは基本的に定価販売なので、量販店やディスカウントストアで買うと安いですよ。
何度も行くのが面倒なら箱買いしてしまうのもアリだと思います。
ノンカフェインの十六茶や爽健美茶が妻のお気に入りでした。
・加湿器
病院はホテルと同じで、鉄筋コンクリートの大きな箱です。
木造でもなく、気密性が高いので空気が非常に乾燥します。
病室は暑くもなく寒くもない室温に保たれていることが多いのですが、思いのほか空気は乾燥しがちです。
短時間では分かりづらいものの、1泊すると乾燥具合がよく分かります。
目・鼻・唇・口、とにかく乾きます。
そこで病室に加湿器を持ち込みました。
たまたま家にあった電気を使わない気化式の加湿器です。
目に見えないので、こんなのでホントに加湿されるのか疑わしいと思っていましたが、思いのほか効果的で妻も絶賛していました。特に朝、目覚めたときが違うみたいです。
・ふりかけ&梅干し
母胎は元気なので「元気な人向けの病院食」が出てきます。
栄養バランスやカロリー計算もバッチリな食事ですが、それでもやっぱり味気なかったり物足りなかったりするんだそうです。
安静生活のところにカロリーを取りすぎると体重が増えすぎてしまうので、食事のアクセントとして持ち込んだのが、ふりかけ&梅干しです。
ちょっとしたことですが、味に変化があって非常に良いとのこと。
安静にしておくことが目的の入院生活で食事は大きな楽しみであることは間違いありません。
その数少ない楽しみが少しでも豊かであるように工夫してみるのはアリだと思いますよ。
漬物関係で塩分過多にならないように注意してくださいね。
・ヤクルト&ヨーグルト
妊婦さんは便秘になりがちです。
「マグミット」というマグネシウム系の便秘薬を処方されていることも珍しくありません。
それを補助する意味合いで、ヤクルトとヨーグルトを差し入れていまいた。
腸内環境を正しく保って、お通じをスムーズにしてやる作戦です。
ヤクルトは意外とカロリーが高いので、カロリーオフのヤツにしました。
妻の感覚としては「結構、効果あった」とのことです。
・卓上扇風機
部屋に冷房を入れると寒すぎる。
かといって冷房なしだと暑い感じがする。
温度調節が上手くいかないというのは「入院あるある」のようです。
たまたま家に卓上扇風機があったので持ち込んだところ、これがサーキュレーター代わりにもなり重宝しました。
最近ではパソコンのUSBに繋いで動かせる簡易的なファンもあるそうなのでオススメです。
◆何よりも大切だと思うのは「訪問回数」。
ここまで実際に役に立ったアイテム等を紹介しましたが、それ以上に大切だと思うのは安静入院している奥さんを訪ねる回数だと思います。
いくら体は元気だとしても、一人で入院して何日も過ごすというのは不安で孤独なものだと思います。
テレビやDVD、スマホを見て気分転換はできても、それだけでは心のどこかが満たされないはずです。
短時間でもいいので病院を訪ねて、一言でも二言でも会話することで精神的にはグッと楽になると思いますよ。
なんとか時間を工面して、奥さんに会いに行ってください。
それだけで奥さんのストレスが軽減され、気持ちが前向きになるはずです。
奥さんの心身が良好であれば、これから生まれてくるお子さんの心身にも絶対に良い影響があるはずですからね!
◆まとめ
急にやってくる奥さんの切迫早産。有無を言わさぬ強制入院で何かと慌ただしく、それが長期化することもあるかと思いますが、工夫しながらやってみれば何とかなるもんです。
私の経験が誰かの参考になれば幸いです。
追記:妻は臨月に退院となり、予定日の5日前に元気な男の子を出産しました。
「命が生まれる」ってスゴイですね!