学生時代、人体解剖の実習を経験してから「自分も死んだら献体して実習に使ってもらいたい」と思うようになりました。
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死んでしまったら何も感じないでしょうし、死んでるのに生きてる人の役に立てるって面白い感じもしますからね。
もしかすると献体に興味がある方もいるやもしれないので、献体に関する情報や申込方法なんかについてまとめておきますね。参考になれば幸いです。
献体(けんたい)って何?
「献体」とは、亡くなった方の遺体を、医学部等の実習へ提供することです。
主に医師の研修や医学部や歯学部の解剖実習などに使われ、医学の発展に活かされます。
死後、医学に貢献できる素晴らしい行為ですが、献体者になるには生きてうちに献体を行っている団体への事前登録が必要です。
死ぬ直前や、死の直後、急に「献体にしてもらいたいんですけど…」というのではダメみたいですので、段取りが大事ですね。
献体は「本人の希望」はモチロン、遺族や関係者の同意も確認されます。もし仮に、遺族や関係者に1人でも献体に反対という方がいれば、その献体は中止されるとのことです。
いくら本人の希望といっても嫌がる遺族を無視してまで献体に使うってことはないみたいです。
どんなに献体を希望していても本人は死んじゃっているので何も言えないという文字通りの「死人に口なし」状態なので、しっかり意志を…いやいや、この場合では遺志を伝えておかないといけませんね。
「献体として役立ててもらいたい」という気持ちがあるにも関わらず、家族への説明や根回しが不十分だったばっかりに実現できなかった…となれば死んでも死にきれません!
献体として役立ててもらうには、生前から家族の理解を得る必要がある、これ重要ですね。
献体のメリット
死後、遺体を献体として使ってもらうと結構いいことがあります。
まずはボランティアで提供した遺体を使ってもらい医学生に学んでもらうことで「医学の発展」に貢献することができます。
それを実感することはできません(本人は死んじゃってますからね)が、死んでも誰かの役に立てるというのは素晴らしいと思います。
僕個人の考えでは「遺体の有効活用」なのでドンドン使ってもらいたいですね。死んだらどうなるのかは死ぬまで分かりませんが、遺体は焼いて骨だけ埋めるだけなので「献体にどうぞ・どうぞ」という感じです。
献体として活用した後はキッチリ火葬にしてくれます。火葬にかかる費用は献体として使用した大学等が負担してくれますので、死んでからも節約できますよ。
どのタイミングで遺体が運ばれる?
生前、献体に申し込んでいて、いざ亡くなったとします。
その後、どのタイミングで遺体を運び出すかは事前に決めておけるそうです。
死んだ場所からダイレクトに献体に運ばれ、ご遺体なしのまま葬儀ということもできます。
また一般的な葬儀を済ませてから献体に回すということも可能とのこと。
(できれば死後48時間以内の引き取りが望ましいらしいです。)
これも「希望者の遺志」と「残される人々の考え」をすり合わせておかないとトラブルになりかねませんから、しっかりと段取りしておく必要がありますね。
いろんな考えがありますから、どれが正解ってことはないと思います。
死の直後でも、お葬式のあとでも、献体そのものには全く影響しないとのことですから、自分や家族にとってのベストなタイミングを事前に決めておきましょう。
献体後の流れ
献体として解剖実習や研修などに使われた遺体は、丁重に荼毘に付されます。つまりは火葬されて骨だけ残るという感じです。
遺骨は骨壺に納められ、遺族のもとに帰されます。その後は墓地等に遺骨が埋葬されるみたいですね。
引き取り手がない場合には共同墓地に納骨されるそうなので、それはそれで安心できます。
遺骨が帰ってくるタイミングは実習等に左右されるそうで1年後かも知れませんし場合によっては4年後ということもあるそうです。
順番に献体を使っていくでしょうから、それを待つのみですね。
繰り返しになりますが本人は死んじゃっているので待たされるという意識はありません。ご遺族は遺骨が帰ってくるのを待っているでしょうね。
実は増えている献体申込者
近年、献体に申し込む人が増えてきているそうです。
献体の登録者は1970年代半ばまで1万人台に過ぎなかったのが、2007年には21万人を突破しているとのこと。
1960年代頃は希望者がもっと少なくて献体の確保が難しかったそうです。どうしても足らないときは死刑になった人のご遺体を買い取っていたこともあるそうです。
あくまでも想像ですが、いくら死後とはいえ体を切り刻むことには抵抗があったのかなぁと思います。実際には死んじゃっているんで切っても刻んでも全く痛くも痒くもないんですけどね。
献体申込者数の増加から考えると、そういう価値観とか風潮も変わりつつあるのかも知れません。
献体の申し込み先
と、こんな感じで「死んだら献体にしてもらいたい」という人は事前に申し込みをしておかないといけません。
申し込み先は医学部や歯学部がある「大学」か「献体篤志家団体」などの献体の会です。大学だと白菊会とかですね。
必ず生前に希望者本人が申込み手続きをします。電話やメールで申し込み用紙を取り寄せられるそうです。
希望者数が多い場合は抽選になりますので、やはり時間的な余裕をもって手続きしたほうがいいですね。せっかく献体を希望していたのに「申込み抽選に間に合わなかった」となれば悔やみきれません。
献体の会によって申込みの基準(年齢や既往歴など)が違うことがあるので、それに沿って書類を作成し、場合によっては抽選をして、献体として遺体を提供することが可能になります。
まとめ
献体は、あくまでも希望者のみです。しなくても全然オッケーですし「献体しない」という意思も当然ですが尊重されます。
「献体したい」という方は生前に手続きしておかないといけませんので注意が必要ですね。
・日本篤志献体協会 (外部サイト)
この献体という仕組み以外にも、死後の肉体を「臓器提供」という形で活かしてもらう方法もあります。
急死や脳死の場合は使える臓器が多いと思うので、もし良かったら臓器提供の意思表示カードもぜひ。
・臓器移植について (日本臓器移植ネットワーク)
・角膜移植について (日本アイバンク協会)
人間の致死率は間違いなく100%です。
あなたの肉体、死んだら、どうしますか?